平成の「即位の礼」関連行事として京都御所で催された「茶会」で乾杯される天皇、皇后両陛下(上写真、1990年12月3日)、京都御所で行われた昭和の「即位の礼」。賢所大前の儀(昭和3年11月10日)
皇太子さまの「即位の礼」を、2019年秋に行う方向で政府が検討に入った。1990(平成2)年11月に東京で行われた平成の即位の礼と大嘗祭(だいじょうさい)では、皇室とゆかりの深い京都でも関連行事が行われた。
即位の礼の6日後に皇居で行われた一般参賀に合わせて、全国の宮内庁施設で記帳の受け付けが行われた。初日だけで、京都御所(京都市上京区)に2700人、桃山陵墓監区事務所(伏見区)に300人、月輪陵墓監区事務所(東山区)に330人が訪れた。
同年12月には、天皇、皇后両陛下が京都を訪れ、孝明天皇陵と明治天皇陵を参拝。即位の礼と大嘗祭の終了を報告する「親謁(しんえつ)の儀」に臨まれ、京都御所では近畿・三重の計7府県から約800人を招待した茶会が繰り広げられた。市内では提灯(ちょうちん)行列や奉祝パレードもあった。
即位の礼で天皇陛下が昇られる高御座(たかみくら)と皇后さま用の御帳台(みちょうだい)は、普段は京都御所にあるため、いったん分解して自衛隊のヘリコプターで東京に移送。約4億2千万円かけて漆の塗り直しなどの修理が施され、儀礼後は京都御所に戻され、特別公開が行われた。
一方、政教分離の観点から、大嘗祭など皇室や一連の儀式に反対する集会や抗議デモも各地で活発に繰り広げられた。過激派によるゲリラも頻発し、京都御苑や桂離宮に砲弾が撃ち込まれる事件や、皇室に関連する業者を狙った放火事件などが発生し、警察による厳戒な警備が続いた。