神社の説明を聞くツアー参加者(京都市東山区・粟田神社)
京都市東山区の古川町商店街や白川地域で、早朝に外国人観光客を案内する英語ガイドツアーが始まった。有名な観光地ではないが人々の生活文化が息づく地域の魅力に触れられる、と参加者からも好評だ。
市観光協会と、白川地域で活動する「白川まちづくり会社」が共同で企画した。朝の時間帯にゆっくりと観光できる場所に案内することで、観光地域や時間を分散化するとともに新しい魅力にも触れてもらいたいとの狙い。英語ガイドは、市が育成した独自の通訳ガイド「京都市ビジターズホスト」が担当する。
当面は毎週木曜日に実施する予定で、初回の7日には韓国やベルギー、イタリアなどから12人が参加した。午前8時半に商店街近くの喫茶店で朝食を取った後、粟田神社や知恩院を参拝。古川町商店街では鶏肉店のコロッケや井戸水でとった総菜店のだし汁などを試食して地元住民との交流を楽しんだ。
道中では、地蔵のほこらや魔よけの鍾馗の前で立ち止まり、英語ガイドの女性が意味や由来を説明。参加者は興味深そうに聞き入った。ベルギーから友人同士で訪れたヴィオレット・デヴォルヤさん(26)とクロエ・アリエスさん(29)は「神社の参拝の仕方など、初めて知ったことがたくさんあり、とても充実した時間だった」と喜んだ。
白川まちづくり会社副社長の鈴木淳之さんは「ツアーを定着させ、有名寺院以外の魅力を伝えていきたい」と話している。