邱垂正氏
(台北 10日 中央社)台湾の対中国大陸政策を担当する行政院(内閣)大陸委員会の邱垂正副主任委員は9日、中国大陸の駐米公使・李克新氏が台湾の高雄港に米国の軍艦が寄港した日、台湾に武力をもって攻め入ると発言したのに対し、強い憤りを表明した。「横暴な態度で断固受け入れられない」と厳しく抗議した。
李氏はワシントン現地時間8日、在米留学生などを集めたイベントで、米上院で先ごろ可決された台米の軍艦相互訪問などを盛り込んだ2018会計年度の国防権限法(NDAA)について言及。中国大陸で「反国家分裂法」が定められて以来、運用されたことはないが、軍艦が派遣された際に発動され、寄港した日が武力行使の日となるなどと述べた。
これを受け、邱副主任委員は両岸(台湾と中国大陸)関係が敏感なこの時期に、平和と安定を維持せずに、「反国家分裂法」という軍事的手段を強調し、台湾を脅迫するようなやり方は荒唐無稽で無責任だと強く非難。政府は決して屈服しないと強調した。
同法は2005年、当時の陳水扁政権による独立を目指す動きに対抗しようとして制定された。