(高雄 31日 中央社)来年春に開業10周年を迎える高雄メトロが賃金の引き上げを予定していることが分かった。同社の賀新総経理(社長)が30日発表した。賀氏によれば、同社は来年、高雄市政府への利益還元として4000万台湾元(約1億5188万円)を拠出し、拠出後の利益剰余金約4000万元余りを社員の賃上げに投じるという。同市政府への利益還元は同メトロの建設・運営に関して双方が交わした契約書に基づくもの。いずれも実現すれば、2008年の開業以来初となる。
赤字経営の際に高雄市政府に対し補助金の交付を求めることが同契約書に基づき可能となっている高雄メトロ。近年は市政府の協力を得て経営体質が強化されたほか、旅客輸送量も増加しつつある。開業当初は毎年20億元(約76億円)の赤字を計上していたが、次第に減少し、補助金の申請も2015年が最後になったという。2016年度は包括利益7400万元(約2億8000万円)を計上し、目標より一年前倒しで黒字化達成、今年は黒字がさらに拡大した。
旅客輸送量は今年1月から11月までで、1日当りおよそ17万5000人に達しており、来年は18万人突破を目指すという。