京都二寧坂ヤサカ茶屋店
(CNN) 畳に座布団、日本庭園。ガラスや金属を使ったいつもの店構えから一転、日本の伝統文化に囲まれてコーヒーを楽しめるスターバックスが、京都市内に誕生した。
スターバックスコーヒー京都二寧坂ヤサカ茶屋店は、先月30日、伝統的な町並みがそのまま残る地区にオープンした。
築100年の木造家屋を改修した店舗は、まるでタイムカプセルで時を飛び越えてきたかのようだ。
スターバックスのロゴは、入り口にかかった紺色ののれんだけに控えめにあしらわれている。
文化的に大きな意味を持つ地域に店を構えるからには、その伝統建築を守り続け、将来にわたって地域になじんだ存在であり続ける責任がある。スターバックスコーヒージャパンの水口貴文・最高経営責任者(CEO)は、CNNとのインタビューでそう語った。
スターバックスは75カ国に2万6000店を展開する世界最大級のコーヒーチェーン。日本にはそのうち1260店がある。
京都市内でもこれまでに26店がオープンしているが、二寧坂の店はその中でも際立っている。あるいは、特によく溶け込んでいる、とも言えそうだ。
のれんをくぐって店内に入ると、1階のスペースからは伝統的な庭を楽しむことができる。2階には靴を脱いで上がる畳敷きの3部屋があり、掛け軸や京都・丹後の生地を使った座布団が用意されている。
個性的なコンセプトのスターバックスは、福岡県にもある。太宰府天満宮表参道店は、建築家の隈研吾氏が設計を担当。入り口から店内にかけて伝統的な木組み構造を取り入れた、幻想的なデザインが特徴だ。
オランダのアムステルダムでは、「ザ・バンク」という実験的な店舗が話題を呼んでいる。
2012年、市中心部にあるレンブラント広場の近くにオープンした。銀行の金庫室だったスペースを改装した店内は、大理石の床と前衛的なアート作品が共存するユニークな空間。店内では詩の朗読会やライブ演奏、地元の手工芸品展示など、常に新たな試みが続いている。