再整備後の京都市美術館のイメージ
京都市美術館の再整備事業起工式が8日、左京区の同館本館で開かれた。関係者ら約80人が集まり、再整備の成功と工事の安全を誓い合った。2019年度中に、通称「京都市京セラ美術館」としてリニューアルオープンする予定。
起工式では、設計に当たった青木淳・西澤徹夫設計共同体の青木淳代表が「歴史を継承することを大切にしながら、新しい側面を加えていきたい」とコンセプトを説明。潮江宏三館長は、庭園や外観を残しつつ北中庭にガラス屋根を設置し、現代アート展などに対応する新館を設けるなどの整備概要を紹介した。
市美術館は1933年、市民や財界の寄付で開設。老朽化が進み、約100億円の再整備費用を捻出するため地元企業の京セラに命名権を売却し、着工にこぎ着けた。再整備を巡っては、命名権売却に反対の声が相次いだほか、市が野外彫刻モニュメントを作家の思いと違う形で撤去するなど議論も相次いだ。
起工式会場には、市民から「遊び場になる美術館になって」「結果オーライ‼」などと期待を寄せるメッセージを紹介するコーナーも設けられた。