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琵琶湖の漁具、国文化財に 琵琶博保管、船大工用具も

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(琵琶湖で使用されていた漁撈用具(上)と船大工用具)



国の文化審議会(馬渕明子会長)は19日、滋賀県立琵琶湖博物館が保管する「琵琶湖の漁労用具及び船大工用具」2437点を、登録有形民俗文化財に登録するよう林芳正文部科学相に答申した。「日本の内水面漁労の展開とそれを支えてきた職業の様子を理解する上で貴重」という。登録有形民俗文化財の登録は滋賀県で初めて。

 漁労用具は、日本最大の琵琶湖で伝統的に行われてきた陥穽(かんせい)漁や定置漁、網漁、突漁、伏せ漁、貝曳漁などで使用される1977点。えり漁の用具、フナやコイを誘い込むように円筒形に竹で編んだウケやタツベ、押網、魚を突くヤス、いけす、近代以降の淡水真珠の養殖用具など、琵琶湖ならではの特色あるものが多い。

 船大工用具は460点。魚介類を捕獲、運搬する木造船を製作するための用具一式で、小型の船から丸子船のような大型船まで多様な船を造ってきた歴史を読み取ることができる。

 県教育委員会は1978年から各地の漁師に用具を提供してもらって収集に乗りだし、96年開設の琵琶湖博物館が資料整理に当たってきた。県教委文化財保護課の担当者は「琵琶湖とともに生きてきた人々の暮らしの在り方を示すものとして貴重」とし、「伝統的な漁具がなくなるかもという危機感から収集が始まった。長年をかけてようやく登録有形民俗文化財となり、感慨深い」としている。

 また、文化審議会は、石川県輪島市で継承されている「輪島の海女漁の技術」や、豊作を祈って手作りのロケットを打ち上げる埼玉県秩父市の伝統行事「秩父吉田の龍勢(りゅうせい)」など6件を、重要無形民俗文化財に指定するよう答申した。3月上旬ごろに答申通り指定され、国の重要無形民俗文化財は309件となる。


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