皆既月食のイメージ
国立天文台は、1月31日に地球の影に月が隠れる皆既月食が起こり、日本全国で観測できると発表した。今回を見逃すと、同じ条件で見られるのは2022年11月まで待たなければならない。
日本で前回、皆既月食が見られたのは2015年4月。およそ3年ぶりとなるが、前回の時は皆既月食の継続時間がわずか12分間程度という短いものであった。今年の7月にも皆既月食を見ることはできるが、東北地方より西で、かつ月は皆既食のまま沈んでしまうという。
今回の皆既月食は日本全国で部分食の始めから終わりまですべて見ることができる。時間も3時間以上あり、皆既月食だけでも1時間半弱ある。
■皆既月食のスケージュール
部分食の始め(月の欠け始め) 1月31日20時48.1分
皆既月食の始め 21時51.4分
食の最大 22時29.8分
皆既月食の終わり 23時08.3分
部分食の終わり 2月1日0時11.5分
皆既月食の最大の時、月が日本に近い位置にあるため、薄明るい時間帯や地平線近くで見られるようなものではなく、高い高度で見ることができるのである。さらに今回の満月は、年間を通して2番目に大きい満月となるため、普段より大きな満月の皆既月食を見られることは間違いない。
ちなみに皆既月食の月は真っ暗になって見えなくなるわけではなく、赤銅色(しゃくどういろ)と呼ばれる赤黒い月(赤い月)となり、普段とは違う月を楽しむことができるだろう。
月食の始まる前と終わりの後には、月が半影と呼ばれる地球の薄い影の中に入った状態となる半影食の現象も起こるため、そちらに注目してみるのも悪くない。
ただし、皆既月食は肉眼でも見ることはできるが、半影食を肉眼でみるのは難しいため、露出を抑えた撮影をする必要がある。
しかも31日は今月2度目の満月、いわゆるブルームーンである。ブルームーン自体はそれほど珍しい現象ではないが、ブルームーンの皆既月食となると、1982年以来となるため、35年ぶりである。
次にブルームーンの皆既月食が見られるのは2028~29年の年を跨いで起こる皆既月食となるため、11年先となる。