欧州議会で英語演説を行う柯文哲台北市長(左)
(ブリュッセル 1日 中央社)欧州を訪問中の柯文哲台北市長は現地時間先月31日、欧州議会で英語演説を行い、「台北の価値」について語った。柯市長は、言論の自由度の高さや多様性を受け入れる寛容さに触れ、「これこそが台北の価値。西洋社会の先進的な価値観を華人社会に取り込んだ」とアピールした。
柯市長は「台北の価値」の言葉を出し、思想や価値観が衝突する十字路において、台北がどのような位置にあるのかを紹介。非政府組織(NGO)や非営利団体(NPO)の多さのほか、国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」の報道の自由度ランキングで台湾が世界でも上位に名を連ね、同団体が台北に事務所を開設したことなど、台湾がその他の華人社会とは大きく異なることを示した。昨年の台北の出来事としては、ラマダン(断食月)の終了を祝う祭りで5万人のイスラム教徒が台北駅に集ったほか、12万人が参加したアジア最大規模のLGBT(性的少数者)パレードの開催などを挙げた。
台北の価値をめぐっては、蔡英文総統が先月23日に出演したトーク番組で、柯市長が今でも民進党の盟友か質問された際、「台湾の価値」を柯市長は再確認するべきだと発言。
柯市長はその後報道陣に対し、「彼女(蔡総統)の言う台湾の価値とは何か知りたい」と答えていた。同26日に両氏が対面した際、蔡総統は、主体意識のほか、若者の居住に関する権益や環境を世話することも台湾の価値だと説明した。
柯市長の演説は約15分間行なわれ、議員30人を含む約100人が出席した。
柯市長は先月27日に欧州訪問に出発。オランダ、ベルギー、ポーランド、トルコを巡り、都市再開発や公営住宅、スマート都市、公共交通のグリーン化などについて視察を行う。