虫払いで公開された「伝源頼朝像」(左)などの寺宝
=1日、京都市右京区・神護寺
京都市右京区梅ケ畑の神護寺で1日、恒例の寺宝の虫払いが始まった。大和絵肖像画の傑作「伝源頼朝像」「伝平重盛像」(いずれも国宝)などが陳列され、参拝者が顔を近づけて見入っていた。
同寺書院には約70点の宝物が展示された。密教の入門儀式を受けた僧の名を列挙した空海筆の「灌頂暦名(かんじょうれきめい)(潅頂歴名)」(国宝)は、天台宗の宗祖最澄の名も記載されている。後白河法皇が手形を押した「文覚四十五箇条起請文」(同)や、平安後期の「釈迦如来(しゃかにょらい)像」(同)なども並んだ。
訪れた会社員前島伸六さん(46)=堺市=は「(伝源頼朝像などは)教科書と同じでびっくりした。まじまじと見ることができてうれしい」と話した。虫払いは博物館などに寄託している宝物を寺で見てもらおうと毎年5月に開催している。5日まで。有料。