国内最古の構造船の船板(大津市瀬田南大萱町・県埋蔵文化センター)
国内最古になる構造船の船板が、大津市瀬田南大萱町の県埋蔵文化財センターで公開されている。長浜市西浅井町の塩津港遺跡で出土した平安時代後期の船板で、全長20メートルの船の部材の一部という。一般公開は初めて。
船板は2015年に出土した。空気に触れると酸化して破損するため、県文化財保護協会が樹脂で固める保存処理を進めていた。
構造船は、丸太をくりぬいた船ではなく、製材した板を組んで造った船のこと。展示している船板は長さ約2メートル、幅約0・6メートル、厚さ約0・12メートルの杉材。船板を接合するためのくぎの穴が3カ所開いている。水漏れを防ぐために、檜皮(ひわだ)をたたいて縄状にして板の割れ目に押し込んだ「マキハダ」が見つかり、「日本最古のシーリング材」ともいわれるという。
このほか、遺跡から出土した船の模型、くぎ、のみやちょうななどの大工道具も展示されている。
31日までの午前9時~午後5時。土曜、日曜、祝日は休館(4日は開館)。無料。問い合わせは県文化財保護協会077(548)9780。