舟の上から観月の夕べ大覚寺
「中秋」の15日、京都市右京区嵯峨の大覚寺で名月を眺める催し「観月の夕べ」が始まった。境内の大沢池に舟が浮かべられ、観光客が平安期の故事にならい月をめでた。
大沢池では平安時代、嵯峨天皇が貴族や文人たちと月を観賞したと伝わる。同寺では毎年、中秋に合わせて催しを開く。池には竜や架空の鳥「鷁(げき)」をかたどった舟が浮かべられた。乗船した観光客は、たなびく雲の間から姿を見せる月とともに、池に反射する月影を見つめ秋の夜長を堪能していた。
俳句仲間と訪れた主婦大谷櫻さん(79)=神戸市東灘区=は「月が水面に揺らめいて、とても美しかったです」と感激していた。17日まで。拝観、乗船ともに有料。
中秋(旧暦8月15日)、いわゆる「十五夜」が、現代の暦でも15日となるのは1970年9月以来、46年ぶりという。