本殿を出発した鳳輦の行列
京都府八幡市八幡の石清水八幡宮で15日未明から、2月の国宝指定後初となる石清水祭が営まれた。多くの参列者が、鳳輦(ほうれん)3基とともに平安装束に身を包んだ約500人が進む華やかな王朝絵巻を見守った。
年に一度、祭神の八幡大神が山から下りるとされる同祭は、863年に生き物の霊を慰める石清水放生会(ほうじょうえ)が営まれたのが起源。948年に天皇の使いが供物を届ける「勅祭」になったとされる。葵祭、春日祭(奈良市)とともに三大勅祭と称されている。
男山山上の本殿で午前2時に神事が始まった。雅楽の音色とともに、ご神体を載せた鳳輦の行列が暗闇の中、たいまつや提灯の明かりを頼りに進み、表参道を約1時間かけて下った。一行は、麓で勅使に出迎えられ、頓宮内で供物を奉納する「奉幣(ほうべい)の儀」が行われた。
午前8時からは、頓宮近くの放生川(大谷川)で放生会が営まれ、背中にチョウの羽を付けた童子4人が「胡蝶(こちょう)の舞」を優雅に披露し、参列者らが川に金魚やフナを放った。