重要文化財の書院内部
京都市左京区の本山修験宗総本山・聖護院が、境内の特別公開を実施している。通常は事前予約が必要だが、12月18日まで予約なしに拝観できる。江戸時代前期の狩野派の絵師による、金碧の障壁画130面や重要文化財の不動明王像など、修験と貴族の文化を味わえるという。
公開される主な建造物は、大玄関と宸(しん)殿、本堂、書院。狩野派の絵師による障壁画は、これらの建物の襖(ふすま)として使われている。
宸殿は、天明の大火で御所が焼失した数年間、光格天皇が仮の御所とした建物。普段は法要を営む「三十畳の間」には、宗祖の役行者の木像を中心に不動明王や蔵王権現の木像が安置されている。また上段の間は光格天皇の執務室だった場所で、宮門跡の対面所として使われた。
1968年再建の本堂には重文の本尊・不動明王像があり、重文の書院は後水尾天皇が女院のために建てた御殿を移築したとされ、修験の装束も展示される。
特別公開は午前9時半~午後4時(受け付け終了)。大人800円、中高生500円。公開休止日は10月13~16日、11月5日、同28日、同29日。