京都市が11月下旬から、東南アジア・ラオスの首都ビエンチャンで、ごみの分別や収集に関する技術支援に乗り出すことになった。ラオスは人口増や経済成長に伴い、ごみの排出量が増加するなど、環境汚染が問題化している。ごみ袋やスーパーのレジ袋の有料化を進めるなど、〈環境先進都市〉を掲げる市は、京都流のごみ処理のノウハウを伝授し、ラオスの環境改善を後押しする。
市の技術支援は、ラオスへの「お返し」の一環。2014年11月、市はラオス政府からゾウ4頭の寄贈を受け、15年2月から市動物園で一般公開。それ以降、同園の15年4~9月の入場者数は前年同期比で約17%増えるなど、同園の魅力向上に大きく貢献している。
そのラオスは、移民の増加や約7%という高い経済成長率で、国内で工場新設が相次いでいる。首都ビエンチャンは、メコン川が流れる有数の観光地でもあるが、日本のようにごみを分別する習慣がなく、リサイクル可能な資源ごみも一緒に捨てられるなど、環境対策が課題となっている。
このためビエンチャン側は14年、国別の温室効果ガス削減目標を定めた京都議定書の誕生地として、ごみ袋の有料化や業者への分別指導に力を入れている市に技術支援を要請していた。
計画では、来年11月までビエンチャンの4地域で住民主体の集団回収をしたり、資源ごみの回収箱を設置したりするほか、小学校では環境教育に取り組む。必要に応じて市が助言を行い、アンケートなどを通じて効果や問題点を検証する予定で、市の担当者は「分別の仕組み作りと、住民への啓発活動の両輪で成果を上げたい」と意気込んでいる。