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複雑すぎる構造の不思議な建物 熊谷組が台北で建設中

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 熊谷組が台湾・台北市で建設中の超高級マンション「陶朱隠園(タオヂュインユェン)」の上棟式が16日、現地で行われた。DNAの二重らせん構造のような外観をした建物は地下5階地上21階建てで、複雑な構造に対応するため最先端で高度な施工技術が随所に盛り込まれた。

 熊谷組は台湾を中心として香港、ミャンマー、ベトナムで海外事業を展開している。上棟式の終了後、樋口靖社長は「難しい技術に取り組んだことは海外戦略を推進する上で役に立った」と話した。今回のプロジェクトを機にブランド力をさらに高め、アジアでの攻勢を強める。

 施工を担当するのは熊谷組の全額出資子会社、華熊営造(台北市)。マンションの基礎部には免震システムを導入。フロアごとに4、5度ずつ回転し、上層階に連なっていく。ねじれた形状の建物は1フロア当たり2戸で構成され、奇数階は柱のない空間として眺望性を大幅に高めた。

 居住部やエレベーターなどの共用部、地下に設置された5台分の駐車スペースを含めた1戸当たりの購入面積は約1000平方メートル。多機能エレベーターが設置され、愛車を玄関先まで乗り付けることができる。緊急時には、救急車が玄関先まで向かうことが可能だ。

 また、環境負荷の低減を考慮した設計を随所に施した。具体的には、バルコニーに庭園を配置して都市環境に配慮したほか、建物一体型の太陽光発電を設置。雨水のリサイクルも行う。

 発注者のデベロッパー、中華工程を傘下に収める大手企業グループ、威京總部(ウェイチンゾンプー)集団の沈慶京主席は「販売活動を行っていないため、価格はまだ決まっていない」としているが、現地メディアによると内装工事を除いた1戸当たりの価格は50億~60億円に達するという。

 台湾は高級マンションの転売を抑制するため、ぜいたく税を導入。高級市場は冷え込んでいるが、今回の物件は市況に左右されない行動を起こす、台湾をはじめとした世界各国の超富裕層の間で人気を集めそうだ。


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