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顔に入れ墨施した最後のタイヤル族女性が死去

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柯菊蘭さん




(苗栗 14日 中央社)顔に伝統的な入れ墨「紋面」を施した北部・苗栗県在住の台湾原住民(先住民)タイヤル族、柯菊蘭さんが14日、県内の病院で死去した。柯さんは紋面の伝統を受け継ぐ最後のタイヤル族であると同時に、同県に居住する最後の紋面保有者。生前から同族の人々に、この伝統は「タイヤル文化の一部」であり、文字で記録を残してほしいと繰り返し訴えていたという。

同県政府原住民族事務センターなどによると、紋面はタイヤル族の女性にとって、機織りなどの技能を身に付け、結婚する資格があることを意味する。また、出自を表すものでもあり、死後、紋面があれば虹の橋を越えて祖先と再会できると信じられてきた。

柯さんは1923年生まれ。当時は日本統治時代で紋面は禁止されていたが、8歳ごろにこっそりと紋面を施した。その後紋面師は道具を没収され、2度目の施術ができなかったため、色は通常より薄くなっている。禁止令が続く中、紋面の伝統は次第に失われていった。

同県は2016年に「紋面伝統」を無形文化財に登録し、ドキュメンタリーを制作するなどして伝統文化の伝承に取り組んできた。この時インタビューを受けた柯さんは、もし自分がいなくなったら「子孫は漢民族と区別がつかなくなるだろう」と話し、文化の消滅を憂いていたという。

柯さんは年初に肺炎を患って以降、入退院を繰り返していた。葬儀は先住民の伝統にのっとって行われる予定。

台湾で存命の紋面保有者は北部・新北市で暮らす東部・花蓮県出身のセデック族、林智妹さん1人のみとなった。
 

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