京都市が再整備する「東山自然緑地」の琵琶湖疏水
京都市山科区の琵琶湖疏水沿いにある「東山自然緑地」が全面供用から40年近くたつのを受け、市は2016年度から5年間かけて再整備する。「新しい花の名所」をテーマに、市民に加え、18年度からの本格運航を目指す疏水の観光船事業の乗客が楽しめるようにする。
自然緑地は山科区の四ノ宮-御陵の約4キロで、琵琶湖疏水に沿って1978年に全面供用した。桜や菜の花、モミジなどが植えられ、観光シーズンは多くの人でにぎわう。緑の大木も多く、人気のジョギングコースでもある。
一方、市民らが憩う9カ所の広場は桜などが一部で植わっているだけで、再整備では、四季を通じて彩りを楽しめるように花の種類や樹木の量を増やす。疏水沿いにある桜やモミジには枯れたものもあり、植え替える。砂利交じりの道も土を敷き直す。
4カ所あるトイレのうち老朽化したくみ取り式などの3カ所を水洗化し、建て替える。ベンチも新調して、照明灯もLEDにして明るくする。総事業費は国の補助を含めて5億3千万円。工事は東側から西側へ順次行い、利用制限エリアをできるだけ少なくする。
市みどり政策推進室は「豊かな自然をたたえ、大きな可能性がある場所。市民や観光客に一層親しまれるようにしたい」とする。
市は再整備案に関し、植樹を希望する花や木などについて、市民らから17年1月16日まで意見を募った後、本格着工する。