人と人との交わりを映し出す茶碗を集めた春期特別展「茶碗の結ぶ『縁』」(京都新聞など主催)が4日、京都市上京区の樂美術館で始まった。樂家歴代との「縁」をつなぐ40点余りが並んでいる。
初代長次郎から現代までの450年に、歴代がそれぞれの時代でどのような縁を保ってきたかを茶碗を通して知ろうと企画した。千家はもちろん、三代道入と関わりが深かった本阿弥光悦や御庭焼(おにわやき)を楽しんだ紀州徳川家十代の徳川治寶(はるとみ)、十五代樂吉左衞門さんと交流の深い萩焼十五代坂倉新兵衛さんらの作品も並ぶ。
十四代覚入の赤樂茶碗「白孔雀(くじゃく)」は、娘のしゅうとの上村松篁さんの絵付けで一層の気品をたたえる。九代了入、十代旦入親子は、それぞれ徳川治寶との合作を残している。訪れた人たちは、一つ一つの茶碗の物語に思いを寄せるように、静かに見入っていた。6月25日まで、有料。